甲州

甲州(Koshu)は日本の山梨県固有の白ぶどう品種。

甲州の起源をめぐっては、現在2つの説がある。ひとつは奈良時代の高僧行基が修業中の夢枕にぶどうを持った薬師如来が現れ、行基はこれを木像にしてお祀りし、ぶどうを含む薬園を拓いて民衆を救い、このときのぶどうが甲州種となったというもの。もう一つの説は、平安時代末の文治2年(1186年)甲斐国八代郡祝村(現在の上岩崎あたり)に住む雨宮勘解由(あめみやかげゆ)が、山道でみつけた珍しい蔓草を持ち帰って育てたところ、数年後に良質なぶどうが実るようになり、これが現在の甲州種となったというもの。いずれにしても江戸時代には甲州は、山梨の特産として将軍に献上されるほど知られるようになっていた。
2013年、酒類総合研究所により、DNA鑑定の結果、ヨーロッパブドウ(V. vinifera)と中国の野生ブドウ(V. davidii)が交雑したものが、さらにヨーロッパブドウと交配した品種である可能性が高いことが発表されている。

明治時代(1868年)、日本政府はパリ世界博覧会へ代表団を送り、この代表団が日本に最初のワイン醸造技術を持ち帰り、勝沼でワイン産業が生まれた。第二次世界大戦後、他のブドウ品種でワイン造りの試みが始まりました。しかし、1980年代にワインに関する関税が引き下げられたため、日本のワイン業者は外国産ワインとの競争に苦しみ、甲州などの日本固有種の生産が注目されるようになった。

2010年6月、日本固有のぶどうとして初めて国際ぶどう・ぶどう酒機構(OIV)に品種登録された。これにより、ワインラベルに「Koshu」と記載してEUへ輸出することが可能となった。日本以外では、唯一ドイツのラインガウに導入されている。

甲州から作られた白ワインはグレープフルーツ、リンゴ、レモンの香りがあり、ソーヴィニヨン・ブランを連想させると言われます。速度アルコールが 9.5〜10.5体積%の間です。

甲州は日本料理(寿司、刺身、天ぷら)とのマリアージュに優れています。なかでも貝や白身魚、マグロのグリル、サーモン、魚の燻製。また、サラダ、アスパラガス、オードブルともいい組み合わせとなります。

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